だいぶ前になりますが、茂木健一郎氏との往復書簡については、双風舎から終結宣言が出されました。返信を待ち続けている間に、2度ほど対談の申し入れがあったことをここに暴露いたします。そういった所作もふくめて、まあ茂木さんは「そういう人」なんだな…

「関係の化学としての文学」新潮社

2年越しで雑誌「新潮」に掲載された渾身の連載に、さらに大幅な加筆修正を加えました。「関係の化学」という画期的な発見もさることながら、各章ごとに章の内容をまとめた{要約すると}を追加、加えて東浩紀氏推薦、と売れる要素満載の一作です。 以下、「あ…

●朝日新聞で100アンサーズを担当しています。掲載率は約50%。次回は2月1日掲載の予定です。 ●あと何冊か、文庫の解説を担当しました。狂人三歩手前作者: 中島義道出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/06/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 40…

●Voiceのウェブ連載「『虚構』は『現実』である」もはじまりました。 今回は第2回「あらゆる関係はS−Mである」。日本橋ヨヲコ「少女ファイト」を取り上げています。 ●書評ブログ「書評空間」も更新しました。ようやく書評本数の最下位脱出です。 今…

●朝日カルチャーセンター・新宿で、荻上チキさんとの対談が予定されています。「WEB時代の公共性 自意識のあり方を考える」 2009.2.24(火)19:00-20:30 全1回 ●角田光代さんと母と娘の関係について語り合いました。

殻ノ少女

西藤環です。 現在は精神科を担当しています。 私に協力できることがありましたら、何なりと。 …委細「ゲームラボ」2月号「おたく神経サナトリウム」参照。

NHK−BSの「名曲探偵アマデウス」に出演しました。 (BShi 1月17日(土) 午後7時00分・ BS2 1月25日(日) 午後11時00分) マーラーの「交響曲第5番」について、脳科学的見地から…ではなくて、普通に病跡学的に喋っています。爆笑問題の時に露呈した診察室…

心理学化する社会

心理学化する社会 (河出文庫)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/01/26メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 80回この商品を含むブログ (31件) を見る まずはリハビリ的に淡々と再開。 心理学化(心理主義化)が早くも終焉しつつある現在…

再放送の告知…をしようと思ったら、もう4時だ! いちおう記念に書いておきます。 「爆笑問題のニッポンの教養」新年会スペシャル再放送 2月2日(土曜)午後4:10〜5:27 http://www.nhk.or.jp/bakumon/news/20080122.html 新年会なので書き初めには…

「アーティストは境界線上で踊る」祭り-2-草間彌生−象徴の去勢の象徴

これから23回にわたり、私の新刊の内容を少しずつ紹介して、多くの人々の購買意欲を促進しようと目論んでいます。 本書の基本構成は「作家インタビュー」+「作家論」となっています。そこからの抜粋を紹介していきます。 第一回は、本書の冒頭を飾る、草…

「アーティストは境界線上で踊る」祭り-1

予定より大幅に遅れましたが、なんとか編集と校正作業が終わり、あとは出版を待つばかりとなりました。 表紙は小谷元彦さんの「SP2 New born ViperA」(→写真)です。裏表紙などもいろいろ凝った造本になっています。ぜひ手に取ってみてください。そして買っ…

思春期ポストモダン

思春期ポストモダン―成熟はいかにして可能か (幻冬舎新書)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/11/01メディア: 新書購入: 21人 クリック: 165回この商品を含むブログ (76件) を見る 2003年に出版された「NHK人間講座 若者の心のSOS」…

ひきこもりを題材とした漫画の監修を担当しました。 久米田先生と同じ雑誌に名前が出る光栄。中川翔子さんの表紙が目印です。 タイトルは「15の夜〜cocoon・繭籠」。 掲載は週刊少年マガジン2・3合併号(12月12日発売)と 4・5合併号(12…

ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (シリーズCura)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 中央法規出版発売日: 2007/10/01メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 177回この商品を含むブログ (25件) を見る

トークイベントのお知らせ

メディアは存在しない作者: 斎藤環出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/10/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 52回この商品を含むブログ (30件) を見る すっかり告知が遅れてしまいましたが、私の新刊『メディアは存在しない』(NTT出版)の刊行記…

●榎本俊二『ムーたち』第2巻 解説●美術手帖2007年10月号 「『映画という謎』の分有」*1●ART iT 第17号 書評;会田誠「MONUMENT FOR NOTHING」●こころの科学136号 「『解離とは何か』とは何か?」 *1:ディビッド・リンチ「インランド・エンパイア」…

●ETV特集 10月7日日曜日 22時より 「生きづらい時代の大人たちへ 〜シンガー・馬場俊英のメッセージ〜」●爆笑問題のニッポンの教養 10月30日火曜日 23時より

美麗新世界

24日から27日まで北京に出張します。 2007「日中文化・スポーツ交流年」を記念して開催されるイベント 「美麗新世界:当代日本視覚文化」に参加するためです。 <企画概要> 日中国交正常化35周年を記念して開催される「美麗新世界:当代日本視覚文化…

BTの連載が単行本化します

「アーティストは境界線上で踊る」(仮) 税込価格 : \2,940 (本体 : \2,800) 出版 : みすず書房 ISBN : 978-4-622-07331-4 発行年月 : 2007.11現代アートの世界でいまなにが起こっているのか。引きこもりからアニメ、文学まで、現代若者文化…

夏期休暇は存在しない

●大阪 国立国際美術館 「現代美術の皮膚」展パンフレット*1●小説トリッパー2007年秋季号 「若者は『母なき世界』を浮遊する」*2●図書新聞 書評;ダニエル・タメット『僕には数字が風景に見える』(講談社)●木堂椎『りはめより100倍恐ろしい』(角川…

単行本と増刷

●単行本;ひきこもりはなぜ「治る」のか? 中央法規出版 10月頃刊行予定? 精神分析理論からみたひきこもりの「治療」について。啓蒙本です。●戦闘美少女の精神分析(ちくま文庫)が二刷になりました。 ※「社会的ひきこもり」とともに、ミネソタ大学出版局…

菊地さんからのお手紙

ご存じの方もおられるかもしれませんが、茂木健一郎さんと往復書簡をやっています。 いろいろ興味深い反響もいただいています。ありがたいことです。 先日は、なんと光栄にも菊地成孔さんからメッセージが。スパンクハッピーもDCPRGも持ってます。 しかし、…

望ましい治癒感覚とは

・方法論的な折衷主義 ・治療者との80〜90%の信頼関係 ・治療関係における相互性(疑問点を話題にできる) ・「与えられるもの」と「勝ち取るもの」の中間態としての「健康」意識 ・健康であっても透明化しない身体意識 ・自発的・内発的に獲得されたか…

「自力」モデルの問題

・万能感 ・「自己流」への過剰評価 ・医療への蔑視と拒否*1 ・上記に基づく、オルタナティブな治療法*2への反動的傾斜 ・操作主義*3の問題 ・ドクターショッピング*4 ・相互性なき治療関係*5 ・治癒=超人化となりやすい ・自助努力が不足している(ように…

「他力」モデルの問題

・無力感 ・自助努力への過小評価 ・治療者のカリスマ化*1 ・相互性なき治療関係*2 ・特殊な治療論への固着 ・治療者の互換性がなくなる ・ドクターショッピング*3 ・治療方針に従えなかった場合のゆきすぎた自責感 ・対人関係=治療関係になりやすい ・トラ…

高年齢化するひきこもりとライフプラン

以前お伝えしたシンポジウムの内容が確定しました。 概要はここにあります。切実でありながら、ほとんど取り上げられてこなかったテーマです。 関心のある方はぜひご参加下さい。 参加は無理だけど意見は伝えたいという方は、私宛にメールでご連絡下さい。 …

正しきイマージュの系統発生*1

なぜ「人体」か? 生物学者・エルンスト・ヘッケル(1834~1919)による、「個体発生は系統発生を繰り返す」というテーゼは、たとえば解剖学者・三木成夫による「おもかげの発生学」として、このうえなく優雅に変奏された。子宮の中の胎児の顔は、はじめフカ…

加藤泉展「人へ」

今年のベネツィア・ビエンナーレに唯一の日本人ペインターとして招聘された加藤泉さんの新作展です。見たほうがいいと思います。http://www.arataniurano.com/ 高橋コレクションのほうの展示には私が所蔵する加藤作品も貸し出し中です。http://www.takahashi…

セーフティネットの構築(1)

・両親は早い段階で現在の資産状況*1を文章化し、本人に伝える。・価値共同体としての家族から経済共同体としての家族への転換*2。・経済共同体の一員として本人を位置づけ、能力に見合った立場を担当してもらう*3。・本人の感情労働*4に対するなんらかの報…

「被害者」「加害者」「患者」のいずれでもありうる「あなた」自身のために

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)作者: 日垣隆出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/30メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 178回この商品を含むブログ (118件) を見る 私は、司法精神医学について専門家を自称できる人間ではありません。なにしろ…