「『文学』の精神分析」河出書房新社

「文学」の精神分析

「文学」の精神分析

 ここ10年間あまりに書いた文芸批評系の仕事から厳選しました。
 お勧めは宮沢賢治論、三島由紀夫論あたりでしょうか。あと若気の至りで書いた(1)京極夏彦をdisりついでに日本の精神分析史を学ぼう編とか、(2)京極さんいいヒトだったんで今度は絶賛編という、著者の定見のなさが露呈した貴重な文章も収録。
 
以下目次。


「性愛」と「分裂」―宮沢賢治試論
他者としての「妻」―小島信夫抱擁家族』再読
逆説の同心円―三島由紀夫
超越性と情動の倫理―石原慎太郎『化石の森』
ヤコブの梯子、ジェイコブの路地―中上健次『十九歳のジェイコブ』
リアルで厳密で、すこし寂しい希望を―村上龍『最後の家族』解説
精神分析」の呪縛―『狂骨の夢』批判的読解
京極堂との「会話」『狂骨の夢』再論
唯物論的ラブレター―中井久夫の「文体」
言語の谷間の夢の閾―多和田葉子
残虐記』の二つの謎―桐野夏生を読む
予告篇による二〇世紀―古川日出男
傷つく人形―金原ひとみ
距離と祈り、あるいは世界の多重化に関する覚え書き―米澤穂信
解離、増殖、そして加速せよ―清涼院流水
「キャラ」の戦争
『キャラクターズ』じゃなぜ朝日新聞社を襲うのか―東浩紀桜坂洋の共作

 ※ 表紙の鴻池朋子さんは7月15日からオペラシティで大規模な個展を開催予定です。